今更ながら、CS3のバグ出しに精を出しております(泣)。

PhotoshopCS3でクリッピングパスを埋め込んだ
EPS画像を作成しました。こいつをIllustratorに配置して使用するのですが、配置したときに、クリッピングパスの形状で画像が切り抜かれて表示されるようにしたつもりです。

なお、EPS画像の保存オプションは、

・プレビュー:Macintosh (JPEG)
・エンコーディング:JPEG 最高画質(低圧縮率)
・以下のチェックボックスは全てOFF

です。 

この状態でEPS画像をIllustratorにリンク配置すると、どういうわけか画面上のプレビュー画像が著しく崩れて表示されます。

  yasu 

安めぐみさんの背後に、おかしな白い模様が発生しております。背景が白いのでわかりづらいですが、切り抜いた楕円の周りにも、影のような模様が出ております。EPS画像なのでプレビュー上で画像が崩れているだけで、本来の絵は正しく配置されていると思われます。その理由として、画像を「埋め込み」にすると、正しく表示されるからです。

試行錯誤した結果、PhotoshopでEPS保存をするときのオプションで、プレビューをMacintosh JPEGにしていたのがNGだったと判明しました。試しにこれを8bitにして保存をすると、Illustrator上でも正しく表示されます。はい、立派なバクですね。

こちらの掲示板にも、同様のやり取りがあるのを見つけました。やっぱり、CS3のバグのようです。 

 Illustrator DTP PC よろず掲示板
 
対処策としては、上記にあるようにEPSプレビューをJPEG以外、例えば8bitなどに設定する、ということなのですが、せっかくJPEGでフルカラープレビューができるのにそれが使えないなんて至極残念。しかも私のCS3は先日のエントリの通りアップデートパッチを当てた最新版(といって最終更新は2008年なのですけどね)であるため、こいつがフィックスされていないとなると、CS3を使っている限りは永久にJPEGプレビューが使えないことになってしまう… 別のマシンにインストールされているCS5.5で同様の操作をしてみたところ、ちゃんとJPEGプレビューができるようになっておりました。恐らく、CS4になるタイミングか、それ以降で対処されたのでしょう。うう… 

色々と調べているうち、どうもEPSの扱いにはいろいろとトラブルが多いようだということが分かって来ました。長く入稿用版下で使用するデータのスタンダードとして使われてきたため、FAQも非常に充実しているのですが、その多くが、EPSでクリッピング処理(つまり、背景から対象画像を「抜く」)するにはどうしたらよいか、という内容でした。やっぱりみんな困っているんだねぇ。

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不具合が次期新商品でのみ対処されている、というのは、旧製品ユーザにしてみればアタマにくる話ですよね。テメェの不始末を処理するのに、新しい製品を買えだァ?! うん、多分怒っていいと思う。しかもただでさえ高額なアプリケーションですからね。最後まで責任をもってサポートしていただきたいですよ!

しかしその反面、メーカの立場として考えてみると、こうしたことも理解出来ないわけではないのですよ。私も製品を提供するメーカとしての立場で仕事をしているということもありますけど、いくらなんでも無期限にバグフィックスをする責任を追うのは不可能です。世の中のユーザの期待に答えるべく、便利でイカす新機能をどんどん提供するのはメーカの使命でありまして、新製品を出すのはユーザの望むところなのです! だから旧製品をいつまでもメンテするわけにはいかんのですよ! それはつまりコストアップにつながり、ひいてはユーザのコスト負担にかかってきてしまうのです! そんなことは絶対にさせません!

とまあ、あくまでもユーザ本位でやっているんだよ、と言うでしょうね。私ならきっとそう言う。例えばMicrosoftが今でも95のバグフィックスを続けていたとしたら、神対応!ということになるかもしれませんけど、やっぱりナンセンスですよね。そんなところに労力とコストを掛けるんだったら、次期製品のクオリティを上げておくれ、と言いたくなります。もしかしたら未だに95を大切に使っているユーザの方もいらっしゃるかもしれませんが、やっぱり全てをフォローアップするのは無理ってもんです。ホンダが今でもNSX(2005年に生産終了)のリフレッシュプランを続けていますけど、こりゃかなり特殊な例かもしれませんな。任天堂に破損した初代ゲームボーイとか送ったら、直してくれるのかしら?

取り留めがなくなってきたので、そろそろ結論です。

・古い資産はある程度の所で見切って、 未来に向けて投資する。まともな経営者なら、そうするはず。
・古い資産をいつまでも細く長くメンテしていると、神と呼ばれる、かも。

nobu