なんぞ、いきなり堅い話題ですみません。

先日の香港滞在中に読んだSouth China Morning Post の記事の中で、広東省の最低賃金が平均で21%も上昇した、という記事がありました。ここ数年、中国南部、及び沿岸部の賃金高騰が話題となってきたことは度々ありましたが、こうして改めて記事になるとこれはもう本物なのかなと思うのであります。

私のような輸入業者にとりまして、工場の生産コストが上がるのは業務に直接影響してきます。もちろん、安い方がいいに決まってる。でも、そこで住む人達の暮らしが便利になって、消費行動が活発になってくると、生活コストも上がってくる、そしてそれが賃金の上昇につながるというのは、その国の社会が成熟していくということを考えると避けられないことでしょう。かつての日本がそうであったように。

まあここまでは新聞紙上の、自分には比較的関係の遠い話だと思っていたのですが、香港人の友人と話していて、これが意外と身近な話題だということに気づいたのでした。

私の友人(中国人)は、中国は浙江省で工場をいくつも経営している、いわゆる大物なのですが、てか愛車はヘラーリだったりするのですが、そして香港に超高級マンソンなどを所有している、書き出すほどに絶望的な気分になってくる奴がいるのですが、彼の話によると現在浙江省では工場の工員が人手不足なのだそうで。人が集まらんのだそうですよ。理由としては、今の若い人達は工場で働くのを嫌がるだからなんだそうで。なんだかこんなところまで一昔前の日本に似ていたりするんだなぁ、と妙に感心しました。

さらに話は続きまして、今は猛烈な勢いで中国国内で道路インフラが発達しております。沿岸部の人件費が高いとは上にも書いたとおりですが、そうなるとそれまで中国の製品を使っていたクライアントは、安い製品を求めて大陸の奥へと工場を探しに行きます。高速道路がどんどんと奥までつながるようになると、そこに工場を作っても港までのアクセスが確保出来るようになるんですね。で、そうなると、今までは街(沿岸部)まで出稼ぎに行かなきゃならなかった人たちが、地元もしくは比較的近いところで仕事ができるようになってきた。そうなると、遠い街まで行く必要がなくなる。

さらにさらに、今まで工場なんてなかった地方に、道路ができて急に開発が進みだすと、そこの土地を持っていた(中国でそんなことがあるのかな?)人たちが、一気に土地成金になってしまった。そうなるともう働かなくても良くなってしまう、という人も少なからずいるらしいです。

で、私の友人は困っているわけです。残された手段は賃金を上げるしか無い。きっとかなり大勢の中国人経営者が、同じような悩みを抱えているんだと想像します。

てなことを、チムサーチュイに最近できた商業ビル、iSquareのイタリア料理店にて久しぶりの洋食を堪能しながら聞いたのでした。

Nobu