iPhone片手に香港・中国を飛び回れ!

iPhone、Macintosh、海外携帯電話をフル活用しながら香港・中国を飛び回る私nobuが送るレポートブログ。日本と外国を行き来しながら、どうやってiPhoneを有効に、かつ愉快に活用できるかを日々考えています。

2010年06月

iPadに本・雑誌をスキャンして取り込もう!(解説編)

先のエントリで紹介した、私自作の怪しげなアプリの解説です。実際に作業する分には理解する必要がありませんので、興味のある方だけご覧下さい。また、Windowsユーザの方はこれを見て別のやり方があるかどうか考えてみてください。

このアプリでは、以下の作業を自動的に行なっています。

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1.300dpiで取り込んだPDFファイルを、264dpiのJPGイメージにレンダリングする。

2.画像の長い方のサイズを、(小)では1536、(大)では2048ポイントに縮小する。

3.画像のサイズを、(小)1536x1014、(大)2048x1536にトリミング(切り抜き)する。

4.JPGファイルを生成したため、1ページ1ファイルとなっている。これのファイル名を、連番にする。

5.JPGファイルをZIPパックする。

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驚くべきことに、Mac OS ではこれらの作業を自動化するためのアプリが最初から付いてきます。Automaterというのがそれで、画像のサイズを変える、ファイル名を取得する、保存する、などの操作を一つずつ繋げていくだけで、お好きな自動化処理が作れてしまう。コイツは本当に便利だ。シンプルながらコンピュータ遊びの醍醐味を味わえます。

さて、一つずつ解説しましょう。


1.300dpi -> 264dpiの変換

PDFファイルをJPGにした方がCloudReadersでは高速に読み取れることは前回のエントリで書いた通りです。ではなぜ中途半端な264dpiにするのか。iPadのディスプレイモニタは、132dpiとなっています。全画面表示をしたときにちょうどすっきりと表示され、しかも拡大表示もできる、という事を考えたときに、132の倍数とするのが一番都合が良いと考えました。

300dpiのままで132dpiのiPadディスプレイに表示させた場合、内部的にダウンサンプルを行う必要が生じます。もともとあったドットのギザギザを、別のスケールに当てはめる作業が必要になるのですが、このときにギザギザの段がずれると、その分を再加工する必要が出てきます。これが、画像がぼやける原因になるのではと考えました。

132の倍数としていれば、ギザギザ段がずれることなく、縮小表示としてもちょうどうまくハマるんじゃないか、というのが私のアイデアです。

実際にいろいろな画像サンプルを作って表示させました(グレーの網掛けとか)。その結果、132倍数が一番しっくりくるような気がしたため、こいつを採用したと言うわけです。

とは言え、最初に300->264の変換をやっているので、ある程度はエッジが破壊されておりまして、まあ、気休めと言ってしまえばそれまでなんですけど、せっかく自動化処理するならできることはやっておきたいというのがありまして。


2.および3.サイズ調整

これは、iPadの画面にちょうど収まるように画像を縮小する作業です。(大)の方は、1024x768の丁度倍のサイズとしてあり、全画面表示でぴったり、ダブルタップによる原寸表示では2倍拡大、となるようにしました。

(小)の方は見開き2ページが丁度収まるようなサイズにしてあります。サイズとしては単純に(大)の半分で良いか、というとそうではなく、見開きの中央に20pの隙間が生じるため、この文を差し引いたサイズとしました。iPadを横にして2ページの見開き、文庫本に近いサイズでできるだけすっきりと見られるようにしました。もちろん、ダブルタップによる原寸表示では、2倍拡大となるようになっています。


4.ファイル名に連番を付ける

生成したJPGファイルに連番を付けます。Automaterの標準機能で簡単に作れます。


5.JPGファイルをZIPパックする

これも同様。


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ちょっと余談なのですけど、このスクリプト(Automater実行プログラムのソース)を書く際に一番苦労したのが、実はファイル名を取得すること。信じられないくらい手軽に自動化処理プログラムを作ることのできるAutomaterなのですが、信じられないくらいファイル名を取得するのが厄介なんですよ。パスを取ることは一発でできるんですけど、ファイル名だけが欲しいとなると、ひと手間もふた手間もかかります。今回のスクリプトも、最初にパスを取っておいてそこからファイル名を吸い上げ、最後にZIPパックを作るときに、そのファイル名でリネームするという、結構面倒なことをやっています。なんで簡単にファイル名が取れないのか、なぞです。

結局、こちらを参考にして解決しました。ファイル名を生成する部分だけ、Applescriptを走らせています。

ファイルのMac OS形式のフルパスのテキストから、ファイル名のみを取得(AS Hole(AppleScriptの穴) By Piyomaru Software)


最後に、これは、まあ、言い訳なのですけど、簡単に作ったスクリプトなので、動作に不備があっても文句を言わないで下さいね・・・。実行プログラムはただのスクリプトなので、Automaterで開くと中身を見ることができます。みなさんのお好みでお好きにいじくりまわしてください。

Nobu

iPadに本・雑誌をスキャンして取り込もう!(実作業編)

※注意:本エントリはMac OS環境向けの内容となっています

さて、必要な機材が揃ったらいよいよ作業開始です。作業の大まかな流れは以下の通り。

1.本を裁断する
2.Scan Snap で紙束をスキャン
3.iPad用にファイルを変換する
4.CloudReadersでファイルを閲覧する

まず最初に一番大事なことを決めましょう。それは「スキャンした書籍ファイルの管理、運用」について。具体的には、スキャンの品質をどの程度にしておくか、という事に尽きます。いくら圧縮可能なデータファイルとは言え、HDDの容量には限度があります。また、クラウドでも活用することを考えるとデータサイズは小さいに越したことはない。しかし、資料として残しておくことを考えると写真などの図版は高精度で残しておきたい。

しかし、この辺は考えだすとキリがないので、私高橋が現時点でのベストと思われる方法をご紹介しましょう。

1.本を裁断する

前回のエントリにもありましたとおり、最強の裁断機を使ってザックリやっちゃってください。その後、よくさばいてからスキャナにかけるのですが、アンケートハガキなどがある場合、それを取り除くのはもちろんなのですが、その前後のページが多めに糊付けされている場合がありますので、きちんとバラしておきましょう。

2.Scan Snap で紙束をスキャン

事前に設定さえしておけば、トレイに紙束を差し込んでボタンをポン、ですべて完了します。時間にして数分程度。厚手のファッション誌などは一度にトレイに差し込めないので、2,3回に分けてください。

ここでスキャンしたファイルはPDF形式で保存することになるのですが、これをマスターファイルとします。デスクトップ/ラップトップ上で閲覧するときは、このファイルのままでOKでしょう。

3.iPad用にファイルを変換する

先のスキャン処理で出来上がったPDFファイルを、そのままiPadにブチ込んで読むことも、もちろんできます。ただし、以下の点で私は問題だと考えてい ます(てゆうか、気に食わない)。

・PDFファイルはページ切り替えが遅い!
・原稿サイズがバラバラのため、iPad上で縮小表示(全画面表示)したときに、不自然にざらついた感じになる。特に文字。
・なにより、原稿サイズが大きすぎる。

これらを回避するために、iPad用にPDFファイルを変換してやります。具体的には、コンピュータの自動化処理機能を使って、ダウンサイズ、リサイズしてやります。これをiPadに転送してやれば、快適にスキャンした書籍が読めるようになります。

4.CloudReadersで ファイルを閲覧する

現時点で最強のドキュメントリーダーだと思います。何しろ軽い。シンプルすぎるためにファイル管理機能はGoodRaderに叶いませんが、できるだけリアル本からの移行をストレス無く行うために、動作の軽快さを最重要ポイントにしました。

PDFファイルも直接読むことはできますが、JPGファイルをZIPパックする方が早く読めます。これは作者の方もブログで解説されています。とにかく、現時点でのiPad最重要アプリの一つであることは間違いないでしょう。

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本当のことを言えば、わざわざ作業を2回に分けることなく一発でiPadファイルを作りたいのですが、今のところScan Snapの管理ソフトウエアがそこまで細かく設定ができないため、やむを得ず2度手間を踏むことにしました。また、マスターファイルがあることにより、「本を切り刻んで捨てる」事の罪悪感に対する罪滅ぼし的な安心感を得ることもできます(できるのか?)。保存用、デスクトップ/ラップトップでの閲覧用としてもコチラのほうが良いですからね。あくまでもiPad用ファイルは、

・ストレスなく文字が読める最低限の品質で
・可能な限り軽快にロードできる

のが大前提です。

さて、それぞれの作業について解説をしていきましょう。

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◆Scan Snap によるスキャニング

私の手元にある機種は古いモデルなので、現行のモノとはソフトウエアで設定できる内容が異なるかもしれません。この作業はマスターファイルを作ることが目的ですので、お好みでさらに高品質なファイルとしても問題無いと思います。ただし、取り込み作業に時間がかかってしまってはやる気が一気にダウンしてしまうので、最適な設定を探してみてください。

IMG_0324
富士通 Scan Snap fi-5110EOX2

Scan Snap Manager(設定アプリ)の設定内容
読み取りモード
・画質の選択:スーパーファイン(300dpi)
・カラーモードの選択:自動
・読み取り面の選択:両面読取
・継続読取:チェック無し
・オプション:文字くっきりON
ファイル形式
・ファイル形式の選択:PDF
・オプション:すべてのページを1つのPDFに
・現行サイズ:すべて初期設定のまま(サイズ自動検出)
・ファイルサイズ:圧縮を最低に

この内容で設定しておけば、あとは原稿をトレイに差し込んでボタンをポン。ちなみに、新書なら一度にすべてトレイにブチ込んで一発でいけますが、厚手の雑誌とかになると、2〜3回に分ける必要があります。また、紙詰まりを避けるために用紙をよくさばいてから入れましょう。この辺りのコツは、何度もやっているうちにわかってくると思います。

出来上がったファイルは日付時間でファイル名がつけられていきます。本なら題名と著者、雑誌なら誌名と刊行日などにしておくのがいいですね。命名規則についてはこちらの記事(私が自炊生活を始める切っ掛けとなった記事)が参考になります。

この時点でのファイルサイズですが、モノクロの新書や文庫本なら30〜40MB程度、カラーのビジネス雑誌なら130〜190MBになるはず。

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◆自動化処理でiPad用ファイルを生成する

マスターファイルとして保存されたPDFファイルを、iPadで快適に読めるように変換・生成する作業です。なお、これ以降は完全にMac OSのみでの作業となりますので、Windowsユーザの方はこれを機にApple信者へと改宗していただくか、以下の内容を参考にWindows環境でも同様の作業ができるような方法を探してみてください。

とはいっても、やることは簡単。以下のアプリケーションをダウンロードして、その上にPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけです。

iPad画像変換スクリプト(小
iPad画像変換スクリプト(大)

※私高橋の自作スクリプトです。MacOS10.6で作成しました。他の環境での検証もしておりませんし、予想外のバグが出るかも知れません。このスクリプトを使用して発生したトラブルに関しましては、私高橋は一切の責任を負えませんので、自己責任でご使用ください。

(小)の方は文庫本や新書向けです。iPadを横向きにして見開きで読む用に調整されています。

(大)は雑誌向け。iPadを縦にして1ページ1画面で読めるようにしました。

実際の作業はこんな感じです。

draganddrop
PDFファイルをアプリにドラッグ・アンド・ドロップするだけ!

これで、スキャンしたPDFファイルがiPadに最適化された変換済みZIPファイルがデスクトップ上に生成されます。変換したいPDFが複数ある場合は、一つずつアプリの上にドラッグ・アンド・ドロップしていってください。変換作業中(上記のタスクバーに回る歯車が表示されます)でも問題ありません。ただし、一度に複数ファイルをD&Dすると一つしか変換されないのでご注意を。

もしご利用の環境で上手くいかなかったら、Automater(OSXに標準で入っています)を起動して、上記アプリを読み込み、手動で動かしてみてください。対象PDFファイルを選択した状態でアプリを実行すると、ファイルが生成されます。

こうして出来上がったZIPファイルをiTunes経由でCloudreadersのフォルダに放り込んでいきます。あとは快適ラクラク読書を楽しむだけ。

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実は、このiPad画像変換スクリプトこそが、私高橋の研究成果の結晶(ちょっとおおげさ)だったりするわけです。次回は、このファイルの解説を行おうと思います。Windowsユーザの方も、内容を知れば自分でなんとかできるかもしれませんよ!?

Nobu

iPadに本・雑誌をスキャンして取り込もう!(ハードウエア編)

そんなわけで、続きです。こちらでは作業に必要な機材をご紹介します。

最初にちょっとした情報なのですが、この、紙の本をスキャンして電子化すると言う作業のことを、ネット界隈では「自炊」と呼ぶらしいです。そう、一人暮らしで自分の食事を自分でまかなうという、あれのことですね。日本語って本当に自由なんだなぁ。

さて、その自炊に必要な機材ですが、これはもうすでに事実上の定番商品と言うものがあります。それが、以下の2つ。

◆裁断機
プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106
プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106

◆ドキュメントスキャナ
FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500
FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500


これらどちらが欠けても、快適な自炊生活はできないと断言できましょう。まあ、本当は裁断機、スキャナも適当なものでいいんですけど、上記の商品は評判も高く、私も実際に使ってみてものすごく満足しているのでご紹介申し上げた次第です。一つずつ解説しましょう。

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裁断機ですが、そもそも日常生活に置いて裁断機を吟味して購入する、なんてことはまずありえない。仮にそんな人がいたら余程の文房具マニアか変質者、いわゆる裁断魔す。「自炊」よりにわかに脚光を浴び始めた裁断機ですが、そんなわけで良質な裁断機の情報というのは極めて限られていると思われます。だから正直申し上げまして、この機種以外に何かいいものがあるの?と聞かれても、わからん、としか言いようがありません。だってそんなにいろんな機種を試せるわけじゃありませんからねぇ。せいぜい職場にあるものを使ってみた、くらいでしょうか。そういう意味でも、この裁断機が表舞台に姿を表したのは奇跡といってもいいでしょう。地味にいいものを作っていれば、いつかは報われるといったところでしょうか。

そんなわけでプラスの裁断機です。なんとこの裁断機、定価で4万円以上するにもかかわらず、Amazonの文房具・オフィス用品で2位という超絶売れ行きぶり。メーカの担当者は狂喜乱舞しているに違いありません。おそらくホリエモンのブログで紹介されたのがきっかけでしょう。いやそれにしても凄すぎる・・・。

しかし値段以上に実際の使い心地や機能が充実しています金額以上の満足感を得られるのは間違いありません。実際に裁断する様子をお届けしましょう。

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業務用の風格が漂う

でかくて重いので、置き場所の確保が最大の課題です。私は事務所に置きっぱなしにできるのでいいですが、家庭で使う方にはちょっと頭の痛い問題かもしれないですね・・・。

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今回犠牲(?)になる本

 

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レーザービーム!

なんと、裁断ラインにLEDレーザー(?)のガイドラインを照射する機能がついております。これが超絶便利!このラインを切りたい場所に合わせ、あとはズドンとギロチンを降ろすだけです。

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レーザー光のガイドに合わせて固定します


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裁断面 めっちゃキレイ


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どっちが裁断した方かわかりますか?

どうですか、すごいでしょう。あまりに見事な裁断面に、うっかりするとどっちが裁断した方なのかわからなくなります。いわゆる「返り」も全く見られず、ほんとうにキレイにカットされています。この高品質な切断面の確保が、次の作業のスキャニングに非常に大きな影響を与えるわけです。「返り」が無いので紙束の紙離れが非常に良い、つまり、紙が引っかからずにスキャナに吸い込んでいくんです。これとっても大事ですよ。

レーザー光で位置を決め、安全装置を外しギロチンをゆっくり降ろすと、ゾリリッ・・・という確かな手応えが伝わってきます。そして「ぷつっ」という最後の一糸が潰えた感覚を覚えると、あら素敵、キレイに裁断されているじゃありませんか。これは正直クセになります。用もないのに「何か裁断するものはないか」と探してしまいます。本当ですよ。

さて、この裁断にあたっての注意点をいくつか申し上げましょう。

・ホチキス針は取っておきましょう。刃が欠けたら大変です。
・ゆっくりと、確実に、最後の「ぷつっ」を確かめましょう。
・レーザーポインタのスイッチはこまめに切りましょう。

いずれもマニュアルに書いてあったことです(たぶん)。あとは、まあ、当然と言えば当然なのですが、指その他体の部位を誤って切断しないように気をつけてください。やたらと本体が重いので、持ち運びにも注意が必要です。重量のバランスが悪いんですよ。刃側に偏ってる。

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ドキュメントスキャナ。これもネット界隈で大変に評判の高い、富士通のScan Snap です。このScan Snap と言う奴は昔から評判の高いドキュメント読み取り用スキャナでして、たぶん10年以上前からシリーズが続いていると記憶にあります。実は私が現在自炊用に使用しているのは5年くらい前に購入した古いモデルでして、当時は名刺を読み取るためだけに購入しました。

実のところ、買ったはいいけどスキャナにかけるほど大量の名刺をもらわなかったため、あまり活躍の場を見出すことができずお蔵入りしておりました。ところが、このところの自炊ブームにより突如降って湧いたように先発メンバーへ昇格することになったのです。

最新のモデルでは超音波(!)で複数枚巻き込みを防止するなどの機能が備わっているようですが、この古い機種でも十分に使えます。ドライバもちゃんとアップデートされていますので、最新のOS環境でも安心して使用できます。

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mac-mini (Power PC) とScan Snap


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本体アップ 古いモデルでも現役で活躍中!

ちなみに、こいつを接続しているmac-miniですが、これも使い道が無く干されていたのを「自炊」専用マシンとしてロースター入りを果たしました。このminiはメモリ、HDDが換装してあり、なかなかに金のかかったマシンだったのですが、いかんせん、Power PC という時代遅れのアーキテクチャでは最新のOSを載せることすらできません。だからこそ余計に新型が欲しくなったりするわけですよ。

閑話休題。
さて、このように素晴らしい2台があれば、間違いなく快適な自炊生活を送ることができます。次回は、ソフトウエアの設定方法などをお伝えしましょう。

Nobu

iPadに本・雑誌をスキャンして取り込もう!(導入編)

こちらの記事を読みまして久しぶりに魂の震えるような感動を味わいました。手持ちの本、雑誌をスキャンしてコンピュータに取り込んでしまえ! という内容の記事です。書物をスキャンして電子ファイル化するというのは格別新しい試みではなく、現にGoogleが今この瞬間も世界中の書物をせっせと人力でスキャンをしてアップロードしているはずです。前職のときも会社でバイトを雇って紙のドキュメントをひたすら電子化するという作業をやっていました。

それが、なぜ今更ここまで私を奮い立たせたのか。理由は以下に列挙する通りです。

1.めちゃめちゃ簡単にできるらしい (超重要!)
2.iPadで読むと超快適らしい (iPadを買うための言い訳!)
3.たまった本、雑誌の置き場に悩まなくても済む

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順に解説しましょう。まず1.ですが、これが今まで紙の電子化に踏み切れなかった最大の理由をクリアすることになりました。これまでの方法というのは、とにかく面倒くさいのですよ。フラットヘッドスキャナで見開き2ページずつスキャンするというのは大変すぎて非現実的(Googleはこれを自動化する機械を使っているようですが)ですし、仮に何らかの方法で全ページをスキャンできても、その画像ファイルを編集するのがまた手間なんですな。

つまり、「簡単に」電子化するためには、取り込み作業と、ファイルの編集という、2つの大きなハードルがあったわけです。ところがこれを、実に画期的な方法でクリアできるということがわかったために、私はいたく感動したわけです。

<取り込み作業の簡単化>
・本、雑誌とも、背表紙を裁断してすべてフラットな紙の束にしてしまう。
・この束を、オートシードフィーダの付いた高性能のスキャナで一気に読み込む。

<ファイルの編集>
・取り込んだ画像ファイルを、コンピュータで自動的に体裁を整える。

これら一連の作業が、ほとんど手間をかけずにできてしまうんです。最初に本を裁断してスキャナにかけ、ボタンひとつ押せば取り込み完了。次に、出来上がったファイルをNobu特製のスクリプトプログラムにドラッグ&ドロップするだけで、iPadに最適化されたファイルが吐き出される、というワケです。実作業時間にして3分もかかりません。自動化処理の間は数分の時間が必要ですが、ただ放ったらかしにしているだけなので、実に楽チン。

裏を返せば、ここまで作業が簡略化されないと、大量の書物を処理することはできません。てゆうか、やる気が起きない。このシステムでは、まずなんといっても裁断機で本をブッタ切るのが快感で仕方がない。そして次々にスキャナに吸い込まれてゆく紙の束を眺めるだけでも実に心地が良いのです。なんというポジティブスパイラル。

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次に2.について。iPad。買ったはいいけど、よくよく考えたら何に使ったらいいのかわからん、と言う方が今後続出するんじゃないかと思っていますが、どうでしょう、買った方? 現時点で私がiPadを活用していると思えるのは以下の2点です。

・子供(2歳)のおもちゃ
・本、雑誌を読む

一つ目は、まあ、その、大変に喜んでもらえているようで、毎晩私と取り合いの喧嘩になっております(大人気ない)。彼のハマりっぷりは想像以上でして、どういうわけか一番のお気に入りがこれだったりするのですが、やっぱり子供の考えていることはわからん、と思いました。

それはともかく、iPadは文章を読むのに大変に重宝しています。先日も上海に出張したときには、iTunesで購入した電子書籍やKindle、iBookなどのオンライン書籍をひたすら読んでおりまして、おかげで機内もまったく退屈せずにすみました。これらと同様に、すでに手元にある紙の本も、こうしてバンバンiPadに取り込んでおけば、いつでも気軽に読むことができます。出張前に雑誌や新書を何冊か取り込んでおけば、荷物も減らせて実に助かります(出張はいかに荷物を減らすかの戦いですよ)。

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そして3.ですが、うっかりしていると本や雑誌なんてのはすぐに本棚を埋めてしまいやがります。特に雑誌。バックナンバーも一応は保管しておきたいけど、置き場に困る。特に日本の雑誌ってやたらと紙質が良く重量もあるために、処分に困るんですよね。かと言ってそれがために本棚を用意するのもアレだしなぁ、って思っていたところにこのナイスなシステムがやってきたもんだから、私としては願ったり叶ったりです。これで心置きなく雑誌が買える。そしてすぐに捨てられる。

バックナンバーの管理もコンピュータ上でできるので、いつでも必要なときに参照できます。しかも場所要らず。たまりませんなぁ。

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そんなわけで嬉々として日々スキャン作業に勤しんでいる私です。具体的にどうやってやるのかを書こうと思ったら結構な文量になってしまったので、続きはまた次回。

Nobu
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プロフィール

nobu

タカハシです。
主に香港、中国華南向けの貿易業を営みつつ、キャラクターグッズの企画生産を業務の柱としています。趣味はiPhoneと香港旅行案内。

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